黄色い帽子と朝の挨拶

つれづれに

近くの小学校の2学期の始まりの日。

登校班の集合場所から、ひとり走り出した。たぶん自宅に向かって。

きっと一年生なんだろうな。

黄色い帽子をかぶっているもの。

「なに?」

「どれ?」

なんて声がかかっても振り向かない。

たぶん、なにを忘れたの?

どれがないの?って聞いたのだろうけれど、返事は無し。

きっと聞こえないくらい焦ってるはず。

だって、無いのはランドセルだもん🎒

みんなが気づく前に、早く背負って戻ってこなきゃ!

今もいるんだ、私みたいな子。

でもね、おばちゃんは登校班が歩き出してしばらくしてから気づいて取りに戻ったこともあるんだよ。

だいじょうぶ、大丈夫!間に合うよ。

そんなことを思い出していたら、ついでにこんなことも思い出した。

子どもたちが小学校に通っていた頃は挨拶運動が盛んで、「町で行き合う人にはすすんで挨拶しましょう!」ということで、朝に夕に、行き合う子、行き合う子に挨拶されて、嬉しいやら恥ずかしいやら。こちらも気分よく返事をしたものだった。

ところがいつのまにか「知らない人とは話さない」というのが普通になって、誰からも挨拶されないし、こちらから挨拶しても返事は返ってこなくなった。

おはよう。

こんにちは。

たったこれだけの挨拶ひとつ。

でもあるとないでは興味の熱量が変わる。

同じ町内の子。あの子たちは兄弟、姉妹。我が家の前を通って通学してる。そういったことが頭に入らなくなり、自然と顔も見なくなり覚えなくなる。

納得いかないだ、残念だと話したら

今は学校でそう教えているのだから、やたらに声をかけてはいけないと大学生になった子どもたちに諭された(ずいぶん大人になったものだ)。

家の前が登校班の集合場所なのに挨拶もままならないなんて…毎朝なんだかもやもやする私。

でも不審者になってはいけないからと言い聞かせ、今朝も静かにバス停に向かった。

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